長野県の発酵食文化を未来へ—— 令和6年度「食文化ストーリー」事業の実施

クライアント:一般社団法人 発酵バレーNAGANO

背景

長野県は、野沢菜漬けやすんきといった漬物をはじめとする多様な発酵食文化を有する地域です。一般社団法人発酵バレーNAGANOは、これらの食文化を記録・継承・発信することを使命として活動しています。今回、文化庁令和6年度「食文化ストーリー」創出・発信モデル事業の設計・補助事業申請から帆走し、長野県における発酵食品(漬物)の魅力を体系的に調査・発信するプロジェクトの運営の委託を受けました。


支援内容

① 食文化の調査・記録

長野県内各地の伝統的な漬物文化を調査し、「NAGANO食文化ストーリー 漬物編」としてまとめました。野沢菜漬け・すんき・ねずみ大根漬けなど、地域ごとに異なる製法・歴史・文化的背景を丁寧にリサーチし、調査報告書として整理しました。

文化庁HP:令和6年度「食文化ストーリー」創出・発信モデル事業 ~各地域の食文化の概要及び取組一覧~

② 長野県立大学との体験型ワークショップの企画・運営

食文化の継承を担う次世代への教育的アプローチとして、公立大学法人長野県立大学 健康発達学部食健康学科の学生を対象に、2回の体験型ワークショップを実施しました。

  • 野沢菜漬けワークショップ(2024年11月9日) 有限会社とみき漬物の代表・富井義裕氏を講師に迎え、工場見学・野沢菜の収穫・切り漬け体験・座談会をとおして、製法から商品開発の歴史まで深く学びました。
  • すんきワークショップ(2024年11月29日) 木曽おもちゃ美術館でのすんき漬け体験、道の駅「日義木曽駒高原」でのすんき加工施設見学、地域の伝承者・野口廣子氏による講義を実施。学生が直接、食文化の担い手と対話する機会を創出しました。

いずれのワークショップでも、学生が体験を発信コンテンツとして言語化する「発酵食文化の発信ワーク」を取り入れ、次世代の発信力育成も図っています。

③ 発信事業の推進

調査成果をもとに、以下の発信活動を展開しました。

  • 公式Instagramアカウントでの情報発信
  • 発酵バレーNAGANOウェブサイトへの食文化ストーリーページ掲載
  • バーチャル蔵見学コンテンツの制作(とみき漬物・武田味噌醸造・宮坂醸造・マルヰ醤油醸造)
  • 発酵バレーNAGANO 1周年記念フォーラムでのポスター発表

成果

体験型ワークショップには大学生が参加し、食文化の製法・歴史・地域性を学ぶとともに、同世代に向けた発信コンテンツを自ら企画。食文化の継承と発信を結びつけた学びの場として機能しました。また、フォーラムでは業界誌からの現地取材依頼を受けるなど、対外的な注目も高まっています。

地域に根ざした食文化を「記録する」「体験する」「発信する」という三つの軸で一体的に支援できたプロジェクトです。伝統と次世代をつなぐ取り組みとして、今後のさらなる展開を伴走支援してまいります。